宅建資格は、売買や賃貸などのジャンル問わず、不動産業の必携資格です。
新入社員の中でも、準備の良い方は入社前に取得している方がいるでしょうから、まだ取得していないのなら焦りを感じているのではないでしょうか。
不動産業必携と言われる宅建試験。言うまでもなく入社後可能な限り早く取得した方が、この業界を有利に立ち回れます。
目次
こんなに重要!宅建資格のメリット&デメリット
宅建に限った話ではありませんが、社会人の中には、「資格なんてなくても仕事ができれば問題ないでしょ。」という思考の方もいます。
不動産業界も営業成績あっての世界ですから、「資格よりも実務」というこの指摘の半分は正解です。
ところが、もう半分の部分は明らかな間違いでもあります。
答えは簡単。
不動産業界において「宅建だけは別次元の重要度をもつ資格」だからです。
給料アップに独占業務!宅建が持つメリット
不動産業で働く人で宅建士を知らない人はいないでしょう。
宅建はそれほどの知名度と長い歴史を持つ資格です。
不動産業における宅建有資格者の恩恵は実に多岐に渡りますが、こと新入社員の視点で宅建のメリットを取り上げると、「給料アップ」と「独占業務」そして、「業務理解が深まる」の3点に集約されます。
以下にそのメリットをまとめたので、軽く目を通してみて下さい。すぐに宅建の魅力と価値に気が付くはずですよ。
新入社員必見!すぐに得られる宅建メリット3点
メリット1 給料アップ
不動産企業はほぼすべての会社が「宅建手当」を付与しています。
手当額は1万円~5万円とまちまちですが、取得後は毎月支給されるので新入社員でもすぐに恩恵が実感できるはず。
宅建を取ってよかった!と感じる一番のポイントです。
メリット2 独占業務
先輩社員が契約を締結する時、途中で必ず「重要事項説明(重説)」を行っている点にお気づきでしょうか。
重説や説明書への記名・捺印は宅建士だけが行える独占業務。
自身が宅建士なら、営業~重説、契約の流れをすべて1人でこなせます。
経験年数に関係なく行える業務なので、持っていない先輩社員に頼まれる可能性も。
メリット3 業務理解が深まる
宅建試験で得た知識は不動産業界においてとても役立つものばかり。
契約書の規約1つをとっても、「何故こんな規約があるのか?」といった疑問がすんなりと理解できるようになります。
理解度は人によって差があるので「宅建」持ちだからすぐ仕事ができるようになるわけではありません。
しかし、長い目で見ると確実に違ってきます。
宅建を持っていないデメリット
逆に宅建を所持していないことで、デメリットと言える部分も挙げられます。
新入社員として入社している方の中には、既に実感した部分もあるでしょう。
宅建を持っていないデメリット3点
デメリット1 1人で契約を完結できない
メリット2で取り上げた「独占業務」と共通しますが、不動産取引は宅建士がいないと完結する事ができません。
入社直後の暇なシーズンは良いですが、繁忙期になるとせっかく見込み客を手に入れたのに、独占業務のお陰で足止めをくらう事も。
万が一を防ぐためにも、宅建資格は必要です。
デメリット2 出世に影響する
会社によりますが、宅建を持っていなければ管理職への昇進ができない企業は決して珍しくありません。
不動産屋は事務所ごとに必ず1名以上の宅建士を設置しなければならない「設置義務」があり、管理職を充てたいという会社の思惑があるからです。
デメリット3 独立と言う選択肢が失われる
宅建を取得する方の多くは、就職用として活用します。
ところが、宅建士はそれだけで不動産屋として独立も可能な資格です。
将来経験を積んだ時に、キャリアップから「独立」という選択肢が失われるのは、大きなデメリットの1つです。
いつから勉強する?今でしょ!
宅建士を取得するためには、当然宅建試験に合格しなくてはなりません。
では、「いつから勉強する?」
そんな疑問に対する答えはたった1つ。
「今からはじめる」です。
宅建の合格率は約13%!決して甘くはありません
宅建に合格するためには、「平均して約6か月、時間にして300時間」と言われています。
つまり、1日約100分程度勉強すれば合格水準に達するわけで、「これくらいなら大丈夫」と肩をなでおろした新入社員の方もいるのではないでしょうか。
ところが、ここで注意して欲しいのが「平均13%~15%」という合格率の低さです。
そう、宅建は仮にも国家試験。
そして、難易度的にも決して甘いものではありません。
多くのサイトに言われているような「300時間」という言葉に惑わされて、「自分も300時間勉強したからいけるはず!」と言うのはとんでもない思い違いです。
断言しても良いですが、最初からそんな甘い覚悟の方は、まず合格できませんよ。
https://takken-dokugakugokaku.com/?p=295
早ければ早いほど良い学習期間
初学者に勧めたいアドバイスは「いつから勉強する?」と迷った時に、「できるだけ早く勉強を開始する」ことです。
前項で触れた標準学習期間とはあくまで「合格に必要な知識を得るためのライン」であって、「合格を保証するライン」ではありません。
慣れないうちは教材選びなどに迷ってしまうかもしれませんが、そこは宅建を持っている先輩社員からアドバイスを受けましょう。
ハッキリ言って、何年か後にベテランとなってから人に聞くのは恥ずかしいものです。
新入社員必見!5問免除の登録講習
建試験は不動産業に従事している方に対して、「登録講習」という免除制度を実施しています。
登録講習を受けると、出題範囲の一部において宅建士と同等の知識を有しているとみなされ、試験問題のうち5問が免除されます。
免除されるのは厄介な「土地・建物科目」。合格率大幅上昇。
登録講習で免除される問題は5問です。
宅建試験は全50問の択一式ですから、単純に考えても少なくない恩恵だと言えるでしょう。
ちなみに、免除科目は正当がかなり難しい「土地・建物」に関する問題なのでかなり合格に近づけます。
宅建合格を目指すならば、言うまでもなく利用したい制度です。
合格の条件は?どこがやってるの?
登録講習の流れは事前に送付されたテキストを使って自宅学習を進め、後日行われるスクーリングで最終試験に合格するという流れになります。
最終試験の合格条件は「20問の択一問題を7割以上正解する」というもの。
ハッキリ言って難易度は低く、登録講習試験で不合格となる方はほとんどいないのが実情です。
なお、登録講習は国から指定された資格学校が実施しているので、確認してみると良いでしょう。
実務期間不問。新入社員にも大チャンス!
登録講習を受けるための条件は、不動産業に従事している事のみです。
したがって、新入社員であっても、在職中である限りすぐに登録講習を受けることができます。
通常、この手の免除制度では大抵実務経験〇年といった要件が課されるので、宅建試験における登録講習はかなり新入社員に有利。
入社後即取得の道を開いてくれる制度です。
終わりに
就職に有利と言われる宅建試験。
不動産業界においては就職時だけでなく、就職後も大活躍する資格です。
新入社員のうちはそれほど大きな違いを感じないにせよ、経験を積めば積むほどその重要性が身に染みてくるはずです。
経験を積み責任ある仕事を任されるようになってから取得するのは大変ですから、新入社員のうちに取得を目指すのが最良の選択ですよ。