宅地建物取引士(宅建士)を英語表記にすると、どうなるのでしょうか。
宅建士は日本独自のライセンス制度ですが、世界の国・地域で同様の資格があります。
特に契約社会の米国では、州ごとに不動産に関する資格制度を制定しています。
宅建士の英語表記はもちろん、ちゃんとあります。
「Real Estate Notary」が業界団体の英語表記の呼称
宅建士の英語表記は、正解が一つだけでありません。
複合的な単語を組み合わせて、日本でいう宅建士に当てはめていく形です。
もっとも統一見解に近い英語表記は「Real Estate Notary」です。
これは、全国宅地建物取引業協会連合会(全宅連)という不動産流通の業界団体が、外国人向けに発行している賃貸のガイドブックで説明しています。
「Real Estate Notary」という宅建士の英語表記ですが、この単語の持つ意味をそれぞれ考えてみます。
宅地建物取引士というジャストフィットする単語こそありませんが、以下の単語を組み合わせて、ニュアンス的に表現しています。
不動産系のガイドブックでは、ほぼこの英語表記になっています。
これを直訳すると、「不動産公証人」です。
・Real Estate=不動産・知的財産(土地・建物)などを意味する
・a real estate agent=不動産業者
・a real estate office=不動産屋(店)
・notary=公証人・法律行為(契約・署名)などに立ち合い、法的権限を与えられた人
「Real Estate Notary」=宅建士にしていますが、日本国内でメジャーな英語表記の呼称にすぎません。
「Real Estate Notary」が、外国人にとっては必ずしも、メジャーとは言い切れません。
あくまで、日本の不動産取引の団体が、足並みをそろえるための統一見解なのです。
このほかにも、「Real Estate Broker」「Real Estate Trader」=宅建士という英語表記があります。
複数の翻訳機能でも変換されました。
いずれも間違いではなく、正解は複数あるということです。
最も大切なのは、外国人にきっちりと宅建士という言葉が理解されることです。
ちなみに、宅建士という名称は、2015年4月から変更になりました。
それまでは「宅地建物取引主任者」という名称でした。
宅建主任者の英語表記は「Real Estate Transaction Specialist」です。
「Transaction」=取引・処理・取り扱いなどを意味します。
「Specialist」=専門家となりますので、直訳すると不動産取引の専門家ですね。
宅建士の英語表記と海外の宅建士相当の資格を関連付ける
米国では宅建士の資格は、どのように表記されているのでしょうか。
日本の宅建士(Real Estate Notary)と似ている部分があるのでしょうか。
米国はハワイ、グアム・サイパン(米国領)に旅行する日本人も多いかと思います。
こちらで、コンドミニアムやホテルの一室を「タイムシェア」する分譲販売形態で、物件を購入する方も大勢います。
その売買契約の際にハワイやグアムでも、日本の宅建士に相当する有資格者が立ち合いや署名などの法律行為を代行します。
日本と同じく、米国でも不動産は高額な商取引です。
ABCストアでビールやミネラルウオーターを購入するのとはわけが違います。
なので、米国で宅建士相当の資格者の表記を以下に挙げてみました。
・Real Estate Sales License=不動産セールスライセンス
・Real Estate Broker License=不動産ブローカー
・Real Estate Salesperson=REセールスパーソン
さらに、米国では州ごとに法律が異なります。
A州で合法なことが、B州で違法になるなど、日本の感覚とは大違いです。
宅建士相当の資格も、もちろん州ごとによって微妙に変わっているので、当然、英語表記も異なってきます。
日本でも有名なのは、外国人でも取得できるカリフォルニア州のREセールスパーソンです。
まとめ
日本語だと宅建士と簡単に漢字で表記できますが、英語表記だと単語の難易度が極めて高いです。
「Real Estate」は英検2級、TOEIC600点以上のレベルで、海外の4年生大学へ留学する入り口に当たります。
「Notary」は英検1級の単語の選択肢にも登場し、かなり難しい英語表記というのが分かります。