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宅建士の資格を履歴書に最大限活かす方法

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宅地建物取引士(宅建士)の資格を取得したはいいけど、履歴書にどう生かせばいいのか……

という疑問をお持ちの方も少なくありません。

せっかく苦労して取得した宅建士です。

最大限効果的に活かして履歴書を彩る方法をお伝えします。

 



履歴書には宅建士の正式名称を記入するのがベスト

履歴書には「宅地建物取引士」という正式名称を入れるのがベストです。

 

その理由を説明する前に、まずデータを見ていきましょう。

2017年度の宅建士資格試験の受験者数は、約20万人で合格者が3万人です。

これは、長野県東御市や兵庫県相生市など、小規模な地方都市の人口とほぼ同じです。

 

受験者数は国家資格の中では最大になります。

相変わらずの人気ぶりがうかがえますね。

そこで、気になるのが合格者の属性です。

毎年の傾向でもありますが、不動産業に従事している受験者が実は思ったよりも少ないのです。

 

【2017年度宅建士合格者の職業別構成比】
1.不動産業=33.6%
2.他業種=23.3%
3.学生=11.1%
3.建設関係=10.0%
4.金融関係=9.0%
5.その他=8.6%
6.主婦=4.4%

 

 

不動産業に従事している合格者は過半数どころか、3割を少し超えるぐらいです。

ほぼ毎年合格者の傾向は同じです。

 

3位の建設関係、4位の金融関係も業務上、宅建士と大部分でリンクしますので関連性が分かります。

しかし、2位に不動産業とは全く関係のない「他業種」、3位に「学生」、6位に「主婦」がランクインしています。

 

履歴書に宅建士の正式名称を記載することが大事なのは、不動産関連以外の合格者が多いのが理由の一つです。

誰でも分かりやすく資格を理解してもらう、これに尽きるからです。

 

宅建士は国家資格ですので、履歴書に記載すると採用に有利になることが多いです。

ただ、不動産業とは直接関連性のない企業の場合、例えば製造業、小売、サービス業だと、履歴書に「宅建士」という略称表記だと伝わりづらいです。

このため、宅建士の正式名称の「宅地建物取引士」としっかり明記すれば、丁寧な印象を与えることができます。

免許や資格は面倒でも、正式名称を記載するのが効果的な方法です。

 

もう一つ、宅建士の正式名称で大切なことがあります。

それが、宅建士の名称変更についてです。

2015年4月から「宅地建物取引主任者」→「宅地建物取引士」に名称変更しました。

2015年以前に宅地建物取引主任者資格を取得した人も、履歴書には「宅地建物取引士」と記載する必要があります。

 

自動車の運転免許証も、10年前の2007年に大きな変更があって「普通」→「中型」になっていますよね。

宅建士も同じで、「正式名称」「名称変更」の2つは、履歴書に記載する際に注意が必要です。

H28宅建士試験実施結果

 

 

 

宅建士に未登録の場合、履歴書にどう記載する?

毎年、大勢の宅建士試験に合格する人がいます。

しかし、合格しただけでは宅建士を名乗ることができず独占業務もできません。

これは、宅建法上で明確に決められています。

合格しただけでは宅建業法上、無資格者と同じで、宅建士の業務を行えば違法になります。

 

宅建士登録の手順

宅建士資格試験に合格した段階では、有資格者候補という位置づけです。

公務員試験に合格後、採用前名簿に記載されたケースと同じです。

「候補」の2文字を外し、宅建士になるには「宅地建物取引士資格登録」という作業工程が必要になります。

 

 

【宅地建物取引士資格登録の手順】
1.宅建士資格試験に合格後、受験地の都道府県で登録が必要

2. ・宅地建物取引業の実務(一般管理部門は除く。)の経験が2年以上ある者
・国土交通大臣の登録を受けた宅地又は建物の取引に関する実務についての講習(以下「登録実務 講習」という。)を修了した者
・国、地方公共団体又はこれらの出資により設立された法人において宅地又は建物の取得又は処分の業務に従事した期間が通算して2年以上である者


3.実務経験2年未満の合格者は「登録実務講習」を受講することが条件

4.受講後、受験地の都道府県知事に宅地建物取引士資格登録申請
↓(30~60日後)
5.宅地建物取引士資格登録

6.宅地建物取引士証交付申請
↓(30~60日後)
7.宅地建物取引士証交付

引用:不動産適性取引推進機構

 

宅建士資格試験に合格しても、宅建業の経験が2年未満の人の場合、宅建士になるまでの道のりがかなり煩雑です。

「登録実務講習」では数日間拘束されることになり、講習料金も2万円以上です。

 

さらに、宅建士資格試験に合格後、1年以上過ぎた人は「法定講習」(別途費用発生)も受けなければなりません。

不動産業に従事している人なら、宅建士証がないと業務が大幅に制限されます。

ただ、それ以外の人にとっては宅建士証を取得するメリットがあまりありません。

なので、宅建士に合格した相当数の人が宅地建物取引士資格登録をしていません。

つまり未登録の状態なのです。

 

もちろん、宅建士資格試験の合格は生涯にわたって有効です。

未登録でも各自の状況に応じて、各種講習を受講して宅建士証の交付を受けることができます。

一度合格したら、もう一度資格試験を受験する必要はありません。

 

宅建士を履歴書に記載するなら

宅建士取得しているなら気になるのが履歴書への記載方法ですよね。

宅建士証の交付を受けた人でも、宅建士資格試験に合格しただけの人も、履歴書に記載した方が良いです。

というのも、合格者は各種講習を受ければ、最短で2カ月以内に宅建士証が交付されるからです。

 

不動産会社に就職や転職する場合、宅建士資格試験合格者=宅建士という扱いになります。

合格者の場合、諸手続きを完了さえすれば宅建士の有資格者になれるからです。

 

宅建士を履歴書に記載するにあたり、月や日付などの記載方法は?という疑問が出てくると思います。

宅建士証の交付を受けている場合は、発行日が明記されているので履歴書にそのまま記載すれば大丈夫です。

 

しかし、宅建士証の交付を受けていない場合は記載方法に悩むでしょう。

その場合以下のように分類して履歴書に記載しましょう。

 

▽宅建士証の交付を受けている/交付申請中
〇年〇月 宅地建物取引士登録(宅建士証交付済み)
〇年〇月 宅地建物取引士登録(宅建士証交付申請中)

 

▽上記以外の宅建士資格試験合格者
〇年〇月 宅地建物取引士資格試験合格(合格証に日付が記載)
〇年〇月 宅地建物取引士資格試験合格(登録実務講習申請中/受講中/受講済み)

 

 

ちなみに宅建士資格試験の勉強中の人は、履歴書にあえて明記しないほうが良いです。

不動産業界を目指していてアピールしたいのならば、面接の際に口頭で伝えて意欲を伝えましょう。

 


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宅建士資格を履歴書に活かせる職種は?

宅建士=不動産・建設・金融の各業界とイメージを持っている方が多いと思いますが、その他の業界で、宅建士を履歴書に活かすことができるのでしょうか。

2017年度の宅建士資格試験の合格者では「その他業種」が23.3%を占めています。

 

実は業種を問わず、複数の店舗がある企業や会社なら、宅建士の資格を活かせる可能性があります。

例えば飲食チェーン店、ディスカウントショップ、パチンコなどの各運営会社では、常に新規出店を検討しています。

しかし、どのような小さい店舗でも必ず法律で制限されています。

出店予定地が都市計画法上の防火地域・準防火地域ならあきらめなければいけないケースもでてきます。

建ぺい率や容積率の制限の問題で想定していた店舗が建てられない可能性もあります。

 

実際に宅地・建物の取引をしなくても、宅建士の資格試験に合格した人なら、上記の問題に直面した場合に出てくる「セットバック」「再建築不可」などの用語の意味を調べなくともすぐに対応できます。

こうしたことから、一定の業績を挙げている店舗チェーンの場合、宅建士(合格者も含む)を持つ人材に注目しています。

 

求人広告などでは「宅建士資格者に限る」「宅建士資格者優遇」などの採用条件を明記する各チェーン店の運営会社も少なくありません。

 

また、資格者といっても不動産業界のように独占業務を行うわけではないので、宅建士証の交付を受けていなくても重宝されるケースが多いです。

新規店舗展開の際のアドバイザーやコンサルティング的な役割を期待されているからですね。

以下に不動産業界以外で宅建士が重宝される場面をまとめました。

 

【宅建士を履歴書に生かせる不動産業界以外の主な業種・職種など】
・コンビニ運営会社のFC(フランチャイズ)担当業務=出店可否判断など
・飲食店チェーン店の運営会社の開発担当=出店可否判断など
・小売店やディスカウントショップの運営会社=出店可否判断など
・企業や会社の総務担当部署=所有物件の売却・賃貸・管理・手続きなどのアドバイス
・新卒で就職活動をしている学生

 

おわりに

毎年約20万人も宅建士を受けている理由の一つに、法律系資格の登竜門になっていることがあげられます。

所有権移転、物権変動などの初歩的な民法も資格試験の中では、3分の1近く含まれています。

不動産取引における法律の知識以外、会社の総務相当部署でも役立つケースが多く、不動産業界はもちろんのこと、他業界で働く場合でも多岐にわたり役立ちます。

いずれにしても、宅建士を履歴書に活かせるケースは多く、良いアピールポイントとなってくれるでしょう。

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